通信機器ごとに回線を契約するくらいなら、モバイルルータ1台に集約して料金を節約したい方がたくさんおられます。無線通信機器が最近増えているのに伴って、モバイルルータ1台で、回線契約をまとめたい、という方のためのエントリです。
今のところ、ルータの内側はすべて無線LANですが、外側は携帯電話系、PHS系、無線LAN系、そしてWiMAX系と大別すると4種類くらいあります。ひとつずつ、メリットとデメリットを検証していきます。
なお、調査結果は、あくまで中の人の調査結果であり、店頭ではもっとお得なキャンペーンを行っている場合もあります。結果的にお得にならなかった場合でも責任は負いませんのでご了承ください。
さて、まず前提条件として、モバイルルータの内側から始めることにします。こちらをインハウスと言います。インハウス通信は、無線LANで接続しますが、無線ということは電波を盗聴される心配がありますから、暗号化を行うのが普通です。
この暗号化を自動で行うのが、バッファローの開発したAOSSという仕組みですが、中の人は手動で設定することをおすすめします。自動処理は大変ありがたいのですが、自分で設定した方が、あとあとトラブルが起こったときに対処しやすいと思うのです。
暗号の方式には、TKIP、AES、WPA、WEPなど、いくつか方式があります。相互に互換性はありませんから、インハウスでご利用になる機器が、どの暗号方式に対応しているのか、という表を作るのが第一段階です。横軸に暗号方式、縦軸に機器を並べて、どの方式がよいのか調べてみましょう。
ちなみに、iPadでは、WEP、WPA2、WPA、WPAエンタープライズ、WPA2エンタープライズ、というのが暗号方式として設定可能です。また、中の人の持っているある機器では、WEP、WPAPersonal、WPA2Personal、WPA-EAPというのが設定可能でした。
PSPも起動してみましたが、こちらはWEP、WPA-PSK(TKIP)、WPA-PSK(AES)というのが設定できるようです。このように、接続する機器の暗号方式が、どれを使えるのか、というのをきちんと把握することが、複数の機器を利用するための第一歩です。 ちなみに、WPA-EAPというのと、WPAエンタープライズは同じもの、WPA-PSKとWPAパーソナルは同じものです。
さて、ここまで決まったら、次に外側に入ります。携帯電話系、PHS系、公衆無線LAN系、WiMAX系の4種類に分けて考察します。
さて、携帯電話系です。特徴は、携帯電話網を使っているため、利用できる範囲が非常に広いことがあげられます。たとえばPocketWifiなどがあげられます。こちらは、月額5000円弱で青天井になることはありません。ソフトバンクからも同じような商品が出ています。携帯電話系では、送受信が理論値で6Mから7Mとなっているため、いくら無線LANが理論値54M(g規格)であっても、ここがボトルネックになってしまいます。ただし、地下鉄でも使えることや、人口カバー率が広いことから、「とりあえずどこでも1台で使いたい」という場合にはおすすめです。
また、ドコモからはアクセスポイントモード対応携帯が発売されています。携帯電話とルータが1台になったような商品ですが、こちらの場合、パケホーダイの範囲で使おうとすると128K通信になってしまい、7Mを出そうとすると月額1万円程度かかってしまいます。この点には注意が必要です。
ハードウエアですが、携帯電話系では、店頭価格では1円、2年契約というのが一般的です。店頭の販売員やチラシ、Webサイトで十分に確認してください。月額料金はたまに最初の1ヶ月無料、次の12ヶ月を割引料金とする価格設定もあります。ランニングコストを十分に確認してください。
引き続いて、PHS系です。こちらは、文字通りPHS網なので、速度は最大で128Kです。月額料金は4千円程度となっています。特徴は、乾電池がそのまま使える、というメリットと、人口カバー率が高いこと、地下鉄でも利用できることがあげられます。
ひとつだけ、毛色が異なるのが、公衆無線LAN系です。モバイルルータを必要としない(ことがある)反面、場所が限られるというデメリットがあります。利用頻度や接続時間を十分に検討されることをおすすめしています。公衆無線LANは、ご利用いただいているプロバイダの付加サービスとして使えることもありますし、独自に契約が必要となる場合もあります。ローミングサービスを利用することもできます。ご利用になる場所がどこなのか、というのを十分にご確認いただく必要があります。
ただし、フレッツスポットについては、事前にご確認いただきたいのですが、接続する際にPPPoEという方式が利用できなければなりません。パソコンでは標準装備なのですが、機器によっては対応していないことがあります。iPadやPSPでは対応していません。この場合は光ポータブルが必要です。光ポータブルは、ポータブルWifiや、モバイルWi-Fiルータといった名称で販売されています。これを利用することで、フレッツスポットを利用することが可能となります。フレッツ利用者は月額300円でレンタルすることができます。単独購入の場合は3万円から4万円程度のようです。また、ドコモの回線契約とセットにすることも可能です。フレッツスポットを利用される場合は、この製品が必要、ということだけは十分にご注意ください。もちろん、この製品とフレッツスポットの契約があれば、ドコモの契約なくフレッツスポットの利用は可能です(中の人は回線契約をしていません)
また、公衆無線で問題が複雑なのは、携帯電話系や、次にお話しするWiMAX系の契約の付加サービスとしても提供されていることが多く、さらにローミング契約も存在することです。どこで使うのか、月額料金と利用頻度、利用場所を十分に検討されることをおすすめします。
最後に、WiMAX系です。こちらは、最大速度が理論値で40Mと、かなり高速で、無線LAN(g規格)と比較してもボトルネックを感じることが少ない回線といえます。また、月額料金も4千円から5千円と、速度のわりには低価格な設定です。また、契約期間の縛りがない(翌月解約でも違約金なし)場合が多く、心理的な抵抗も少ないのが特徴といえます。ただし、サービスエリアが大都市+県庁所在地程度なのと、地下では使えないことが欠点です。お使いのプロバイダの付加サービスとして提供されていることもあります。
家電量販店では、独自にサービスを提供している場合もあり、この場合は端末価格が半額や1円といったサービスもあります。また、公衆無線LANがセットになっている場合もあります。家電量販店では2週間無料レンタルができるところもあるので、電波状況を事前に確認するのもひとつの手です。
WiMAXの「地下では使えない」を補完するために、公衆無線LANがセットになっていることもあります。たとえば、ヨドバシの場合はワイヤレスゲート、UQの場合はUQ wifiといったサービスが無料で付加されます。たとえば中の人のように、メインは地下鉄で移動しており、ほとんど区内にいるような場合であれば、組み合わせることでカバーすることは可能です。
中の人の場合、WiMAXのヨドバシカメラプラン(NECのAterm)に、地下鉄で利用するためのフレッツスポット+光ポータブルを利用して、スマートフォンのパケット通信を利用不可に設定し、常にWifiで通信するように設定しました。これで、パケホーダイの5985円+moperaの315円(合計6300円)が、WiMAXに切り替えることで4480円+フレッツスポット210円、光ポータブルのレンタルで315円(合計5005円)となりました。1300円弱下がりました。iPadも利用可能です。ただ、ルータが2台ある面倒くささはありますし、地下鉄も駅のホーム以外ではつながらないので、十分に使いこなしているのか、という疑問は、自分自身でも持っています。
さて、ポイントをまとめます。まず、暗号方式を決めること。次に、使う場所や頻度、時間を考えること。その上で料金や契約形態を十分に検討し、ランニングコストから最適なプランを検討してください・・・・・って、こんな無難な結論でいいのかな。
また、ドコモが年内にも次世代通信規格であるLTEの商用サービスを開始する、という案内が出ています。理論値では75Mという圧倒的な速度ですから、今後の利用料金やエリアを含めて、ひとつのマイルストンとして検討の余地はありそうです。
最後に、通信料金の誤りを指摘いただいた @arcenciel2k さん、本当にありがとうございました。
2010年9月23日木曜日
2010年6月29日火曜日
【書評】これからの「正義」の話をしよう
ISBN:978-4-15-209131-4
結論:★4つ(満点は★5つ)。
内容としては、かなり難易度が高い。例示されている内容に難しさはないのだが、どうしても、根底にある程度の前提知識(日本で言う、高校レベルの政治経済や倫理の知識)がなければ、逆に苦労するのではないか、という気もする。
そして、哲学の本なので、半分は仕方のないことかもしれないが、この本には結論がない。具体的に「これが正解」というのが存在しない。大学の教科書ということなので、ある意味ではこれで良いのかもしれないが、一般向けに出版されるときは、「では、○○という場合、あなたはどう考えるだろうか?」という問いかけがあった方が、理解がより深まるのではないかという気もした。
サンデル風に言えば、レベルはさておき、人間は日々判断する生き物と言えるのだろう。それが「5人殺すか、1人殺すか」というレベルではないとしても、昼食を何にするのか、車で行くか電車で行くか、傘を持っていくか。そんな判断は、本当に自分の出自を反映しない判断だと言い切れるのだろうか。
自分の帰属するコミュニティ(たとえば家族や宗教、国家、時代背景)の考え方に依拠していないと言い切れるのだろうか。仮に、依拠していることが(当面は)問題ないとして、それが高度に(ある意味で矛盾しているが)政治的に、また倫理的に判断を求められる場合はどうだろうか。自分の場合、おそらくそんな判断を求められることはないと断言してもいいが、誰かの判断を見聞きしたとき、それはどこに立脚しているのか。それを十分に咀嚼しなければ、きっと誤ったメッセージとして、人々は受け入れてしまうのではないか(逆に言えば、十分に咀嚼したメッセージを人々に与えなければ誤解を生んでしまうのではないか)。
サンデルの立場、それはある意味で矛盾を抱えていて、哲学でありながら、それは政治的にも見えるし、宗教的にも見える。おそらく、その事実こそが、「無知のベールをかぶることはできない」ことの証明であり、「人の判断には何らかのコミュニティ意識が反映される」ことの証明なのかもしれない。
双方向の大学講義と違って、こちらは本を読むという一方通行なので、ひょっとすると誤解があるかもしれない。少なくとも、ライブ感はまったくない。テレビの放映を見ていないので、この本のポイントとなるべき部分がどこなのか、バランスを取り切れていない部分もあるかもしれない。だとすると、テレビを見た人にこそ、この本は薦められるのかもしれない。
1点だけ、337ページの引用文4行目に「驚異」とあるのですが、これは「脅威」の誤変換かと思います。
結論:★4つ(満点は★5つ)。
内容としては、かなり難易度が高い。例示されている内容に難しさはないのだが、どうしても、根底にある程度の前提知識(日本で言う、高校レベルの政治経済や倫理の知識)がなければ、逆に苦労するのではないか、という気もする。
そして、哲学の本なので、半分は仕方のないことかもしれないが、この本には結論がない。具体的に「これが正解」というのが存在しない。大学の教科書ということなので、ある意味ではこれで良いのかもしれないが、一般向けに出版されるときは、「では、○○という場合、あなたはどう考えるだろうか?」という問いかけがあった方が、理解がより深まるのではないかという気もした。
サンデル風に言えば、レベルはさておき、人間は日々判断する生き物と言えるのだろう。それが「5人殺すか、1人殺すか」というレベルではないとしても、昼食を何にするのか、車で行くか電車で行くか、傘を持っていくか。そんな判断は、本当に自分の出自を反映しない判断だと言い切れるのだろうか。
自分の帰属するコミュニティ(たとえば家族や宗教、国家、時代背景)の考え方に依拠していないと言い切れるのだろうか。仮に、依拠していることが(当面は)問題ないとして、それが高度に(ある意味で矛盾しているが)政治的に、また倫理的に判断を求められる場合はどうだろうか。自分の場合、おそらくそんな判断を求められることはないと断言してもいいが、誰かの判断を見聞きしたとき、それはどこに立脚しているのか。それを十分に咀嚼しなければ、きっと誤ったメッセージとして、人々は受け入れてしまうのではないか(逆に言えば、十分に咀嚼したメッセージを人々に与えなければ誤解を生んでしまうのではないか)。
サンデルの立場、それはある意味で矛盾を抱えていて、哲学でありながら、それは政治的にも見えるし、宗教的にも見える。おそらく、その事実こそが、「無知のベールをかぶることはできない」ことの証明であり、「人の判断には何らかのコミュニティ意識が反映される」ことの証明なのかもしれない。
双方向の大学講義と違って、こちらは本を読むという一方通行なので、ひょっとすると誤解があるかもしれない。少なくとも、ライブ感はまったくない。テレビの放映を見ていないので、この本のポイントとなるべき部分がどこなのか、バランスを取り切れていない部分もあるかもしれない。だとすると、テレビを見た人にこそ、この本は薦められるのかもしれない。
1点だけ、337ページの引用文4行目に「驚異」とあるのですが、これは「脅威」の誤変換かと思います。
2010年6月19日土曜日
手軽に裁断できるDIY裁断
裁断機が(地味に)売れているようです。3万円とかなり高価なのと、替え刃が必要なのと、そもそも手動でやればどうにかなるということから、中の人は手を出さないでいました。スキャナは人力では無理ですが、裁断は人力で何とかなりますからね。
ということで、こんなDIYにしてみました。
必要なものは以下の通りです。
ちゃぶ台(幅45) CB-4530NA

偶然見つけました。これじゃないといけない訳じゃないですが、定規とゴムマットで代用することもできます。
C型クランプ(5センチ)2個
リンク先は深型ですが、浅くても良いです。店で買ったのは、1個200円くらいだったような気がします。
そして、カッターと、滑り止めマット(5センチ角×4枚)があれば良いでしょう。マットは滑り止めになりそうなら何でも良いです。
ということで、こんなDIYにしてみました。
必要なものは以下の通りです。
ちゃぶ台(幅45) CB-4530NA
こんなのがあればいいよ、というだけで、これじゃなければいけない理由はありません。ただ、普段机だと、紙が散ることがあるので、それだけは注意しましょう。
A3くらいのマットがいいですね。A4の高さ(長い方)を切るので。
オルファ セーフティカッターメイト 176B偶然見つけました。これじゃないといけない訳じゃないですが、定規とゴムマットで代用することもできます。
C型クランプ(5センチ)2個
リンク先は深型ですが、浅くても良いです。店で買ったのは、1個200円くらいだったような気がします。
そして、カッターと、滑り止めマット(5センチ角×4枚)があれば良いでしょう。マットは滑り止めになりそうなら何でも良いです。
まず、作業の長辺にカッティングマットの長辺を突き当てます。次に、カッターメイトのねじを外し、黄色いマット部分と定規部分に分離します(ねじは外れるようにできているので、分離というほど難しいことではありません)。カッターメイトの黄色いマット部分を、横長におき、カッティングマットの目盛りに合わせて横長に置きます。
次に、切り落としたい紙を黄色い部分に突き当てて置き、どれくらい切り落とすべきかを決めて、カッティングマットの目盛りに合わせます。当然ですが、これでカッターメイトの黄色いマットも同時に動かします。
置き場所が決まったら、黄色いマットをC型クランプで固定します。1個でも良かったんですが、2個にしてみました。これで、黄色いマットが固定されるので、紙を突き当てれば、目盛りに合わせてカッターメイトの定規部分を置き、カッターで切っていくだけです。
といっても、ものすごくわかりにくい説明かと思うので、写真を撮りました。こんな感じです。
この写真を例にすると、切り落としたいのは、定規の上辺から上の部分(赤い部分)です。それを一定の幅にするために、カッティングマットの目盛りを切断ラインに合わせて、下辺を固定するためにゴムマットとクランプで固定しています。カッターが奥に行ったり手前に行ったりすることがなければ、幅はほぼ一定に保たれます。
で、肝心の本なのですが、中の人は10ページくらいずつ、ベリベリとはがしています。それをこのマットにあてて切り落とす、という地味な作業をしています。これだと、合計で3000円もあれば十分ですし(ちなみに、カッターは98円のホームセンターブランドのもので、すごい切れ味です)、収納も簡単です。
ただし、紙のスキマに地味に接着剤が残っていることもあるので、ちゃんとスキャナに放り込めるように、紙をさばいて確認する作業はお忘れなく。
それから、写真の状態では、作業しづらいので、右利きの方は左手側にクランプが来るようにした方がよいかもしれません(左利きの方は右手側にクランプを)。
で、肝心の本なのですが、中の人は10ページくらいずつ、ベリベリとはがしています。それをこのマットにあてて切り落とす、という地味な作業をしています。これだと、合計で3000円もあれば十分ですし(ちなみに、カッターは98円のホームセンターブランドのもので、すごい切れ味です)、収納も簡単です。
ただし、紙のスキマに地味に接着剤が残っていることもあるので、ちゃんとスキャナに放り込めるように、紙をさばいて確認する作業はお忘れなく。
それから、写真の状態では、作業しづらいので、右利きの方は左手側にクランプが来るようにした方がよいかもしれません(左利きの方は右手側にクランプを)。
2010年6月12日土曜日
6月12日のこと。
いきなりですが、中の人のふるさとの話です。
中の人のふるさとは、東京から90分くらいのところにあります。そして、32年前の今日、そのふるさとで大きな地震が起こりました。そして、今後30年内に同じ規模の地震が確実に起こる(正確には、今後30年内に99%の確率で発生する)と言われています。毎年、6月12日は、ふるさとでは大規模な防災訓練が行われています。
その地震は、おそらく日本で初めてと言われる、都市型の地震でした。この地震により、耐震基準が見直され、さらにブロック塀には芯を入れることが安全のために有効であることもわかりました。ふるさとでは、ブロック塀を生け垣にすることで、補助金がでていた記憶があります(今はどうなっているのかわかりません)。
中の人の父親は、公務員でした。ですから、地震がくれば、出動しなければなりません。小学校に入ったあたりから、父親はいつも言っていました。「災害が起こったら、お父さんは家族のためには何の役にも立たない。だから、オマエ(中の人)がしっかりするんだよ」。その教えは4つありました。
この4つの説教は、子供心に大きな衝撃を受けました。もちろん、中の人は、父親の仕事を完全ではないにしても、ある程度(少なくとも何をしているのかは)理解しているつもりでした。ですが、ここまで「父親」としての顔を隠した父親を見たのは、おそらく記憶の限りでは初めてのことだったかもしれません。少しだけ、父親の仕事を誇らしく思いました。
その後、父親も、いくつかの災害で、現場には行かないまでも、現場を支援するために役所に出かけて行ったことがあります。そのたびに、中の人(そのときには中学生とか高校生ですが)に、「あとは頼んだぞ」といって、わざわざ中の人を玄関まで呼びつけて出勤していきました。
6月12日と聞いて、思わず反射的に4つの説教を思い出してしまいました。ただ、それだけでは(ブログに書くには)不足していると思ったので、ちょっと書き加えました。
中の人のふるさとは、東京から90分くらいのところにあります。そして、32年前の今日、そのふるさとで大きな地震が起こりました。そして、今後30年内に同じ規模の地震が確実に起こる(正確には、今後30年内に99%の確率で発生する)と言われています。毎年、6月12日は、ふるさとでは大規模な防災訓練が行われています。
その地震は、おそらく日本で初めてと言われる、都市型の地震でした。この地震により、耐震基準が見直され、さらにブロック塀には芯を入れることが安全のために有効であることもわかりました。ふるさとでは、ブロック塀を生け垣にすることで、補助金がでていた記憶があります(今はどうなっているのかわかりません)。
中の人の父親は、公務員でした。ですから、地震がくれば、出動しなければなりません。小学校に入ったあたりから、父親はいつも言っていました。「災害が起こったら、お父さんは家族のためには何の役にも立たない。だから、オマエ(中の人)がしっかりするんだよ」。その教えは4つありました。
- 何があっても、急いで帰ろうとしないこと。途中の道が安全とは限らないし、なにより、家が安全とも限らない。避難所に行くか、今いるところが安全なら、そこにいなさい。無理して帰ってくることはありません。
- 少なくとも3日我慢すれば、救援が届きます。それまでは、なんでも みんなで分け合って待っていなさい。
- 子どもでも、手伝えることはたくさんあります。大人を手伝いなさい。 子どもだから何もしなくていいわけではありません。
- どこにいても、生きてれば会えるから、ゆっくり帰ってきなさい。
この4つの説教は、子供心に大きな衝撃を受けました。もちろん、中の人は、父親の仕事を完全ではないにしても、ある程度(少なくとも何をしているのかは)理解しているつもりでした。ですが、ここまで「父親」としての顔を隠した父親を見たのは、おそらく記憶の限りでは初めてのことだったかもしれません。少しだけ、父親の仕事を誇らしく思いました。
その後、父親も、いくつかの災害で、現場には行かないまでも、現場を支援するために役所に出かけて行ったことがあります。そのたびに、中の人(そのときには中学生とか高校生ですが)に、「あとは頼んだぞ」といって、わざわざ中の人を玄関まで呼びつけて出勤していきました。
6月12日と聞いて、思わず反射的に4つの説教を思い出してしまいました。ただ、それだけでは(ブログに書くには)不足していると思ったので、ちょっと書き加えました。
2010年5月5日水曜日
その街の子ども
NHKでやっていた、阪神大震災15年で制作したドラマ。
出ているのは、森山未來と、佐藤江梨子。なんでこんなキャストなんだろうと思っていたら、どちらも、その街の子どもだったのだ。方言(あれを関西弁と言うべきなのか、大阪弁というべきなのか、神戸弁と言うべきなのかはわからないから、あえて「方言」)も、余り違和感を感じることなく進んでいく。その街の子どもだったからこそ、できる自然なシナリオ。
ドラマのように進んでいくように見えて、ドラマっぽさを感じない。ある意味でドキュメンタリーのように進行するストーリー。どこまで台本があるのかはわからない。おそらく、半分は事実で、半分は台本なのだろうけれど、その街でおこったこと、その街で見えてきたこと、その街で感じたことが、その街の子どもたちにとって等身大に見えてくる。
彼らが語っているのは、本当に台本通りだったのだろうか。そんな疑問が出てくる。役柄や展開はある程度決まっていたのだろうが、それ以外はほとんど決まっていないのだろう。役柄上、森山はなんども放置自転車を持って行こうとするのだが、あれを素というべきではないだろうし、素ではないだろうと思う。
当時、高校2年生くらいで、当時仙台の高校生だったから、その街のことはよくわからない。ここ数年、毎年のように出かけている街だけれど、やっぱり、その街でおこった出来事は、その先に透けて見えるものではない。その街の子どもだから、感じたこと。その街の子どもだから、思ったこと。経験なんていう言葉で片付けてはいけない、彼らの実体験は、その街の子どもが背負ってしまった、ある意味で運命なのかもしれない。半分本音で、何度も言うようだけれどドラマというより、ドキュメンタリーとして、ストーリーは進んでいく。
最後に、目的地である公園の手前にある横断歩道で、2人は別れる。
「また、来年な」
そういって、森山は、公園に行くことはなかった。行けなかったのか。それとも、自分の意志で行かなかったのか。それはわからない。その街の子どもだからこそ、行くべきだと思うこともあるだろうし、その街の子どもだからこそ、行かないという選択肢もあるのだろうと思う。
あれから15年。その街の子どもは、その街を背負っていく。そして、ラストシーン。
慰霊祭会場に到着した(本物の慰霊祭で撮影したらしい)佐藤は、カメラを気にすることもできないのだろう、大粒の涙を流して、ろうそくの灯りの前に立ち尽くす。
その街の子どもが背負った運命の大きさを思う。
出ているのは、森山未來と、佐藤江梨子。なんでこんなキャストなんだろうと思っていたら、どちらも、その街の子どもだったのだ。方言(あれを関西弁と言うべきなのか、大阪弁というべきなのか、神戸弁と言うべきなのかはわからないから、あえて「方言」)も、余り違和感を感じることなく進んでいく。その街の子どもだったからこそ、できる自然なシナリオ。
ドラマのように進んでいくように見えて、ドラマっぽさを感じない。ある意味でドキュメンタリーのように進行するストーリー。どこまで台本があるのかはわからない。おそらく、半分は事実で、半分は台本なのだろうけれど、その街でおこったこと、その街で見えてきたこと、その街で感じたことが、その街の子どもたちにとって等身大に見えてくる。
彼らが語っているのは、本当に台本通りだったのだろうか。そんな疑問が出てくる。役柄や展開はある程度決まっていたのだろうが、それ以外はほとんど決まっていないのだろう。役柄上、森山はなんども放置自転車を持って行こうとするのだが、あれを素というべきではないだろうし、素ではないだろうと思う。
当時、高校2年生くらいで、当時仙台の高校生だったから、その街のことはよくわからない。ここ数年、毎年のように出かけている街だけれど、やっぱり、その街でおこった出来事は、その先に透けて見えるものではない。その街の子どもだから、感じたこと。その街の子どもだから、思ったこと。経験なんていう言葉で片付けてはいけない、彼らの実体験は、その街の子どもが背負ってしまった、ある意味で運命なのかもしれない。半分本音で、何度も言うようだけれどドラマというより、ドキュメンタリーとして、ストーリーは進んでいく。
最後に、目的地である公園の手前にある横断歩道で、2人は別れる。
「また、来年な」
そういって、森山は、公園に行くことはなかった。行けなかったのか。それとも、自分の意志で行かなかったのか。それはわからない。その街の子どもだからこそ、行くべきだと思うこともあるだろうし、その街の子どもだからこそ、行かないという選択肢もあるのだろうと思う。
あれから15年。その街の子どもは、その街を背負っていく。そして、ラストシーン。
慰霊祭会場に到着した(本物の慰霊祭で撮影したらしい)佐藤は、カメラを気にすることもできないのだろう、大粒の涙を流して、ろうそくの灯りの前に立ち尽くす。
その街の子どもが背負った運命の大きさを思う。
2010年5月4日火曜日
外付けハードディスクの中身
USBで接続できるHDDが、最近安価になってきていますね。すでに量販店では1Tで1万円くらいが相場だという話も聞きます。
かといって、消耗品扱いでホイホイと使えるものではありません。
中の人が持っているHDDも、スピンドルアップ(電源が入り、モーターが駆動する)はするのですが、データの読み書きが全くできなくなるものが1台ありました。データの中身はバックアップしているので、捨ててもいいのですが、ちょっともったいない。せっかくUSBでつながっているのだから、普通に内蔵HDDを買ってきて換装すれば、また動くのではないか?と考えたのです。
普通に考えて、低価格で抑える必要があるので、それほど特殊なHDDは使っていないだろうと思ったので、まずは分解してみることにしました。型番である「UDC-U500 分解」をキーワードにしたら、こんなページがヒットしました。
IO DATA 外付けHDD HDC-U500の分解
確かに、ハードディスクはSeagateのものでした(細かな部分は違いましたが、それくらいなら誤差の範囲でしょう)。ですが、このページの一番下に注目です。「RMAがついていました」とあります。
今度は「RMA Seagate」で検索すると、なんと、保証期間内であれば、無償保証が受けられるとあります。なるほど。ということは、保証期間内かどうか、が次のポイントになります。保証が受けられるのであれば、交換して換装、保証がきかないのであれば、新しいHDDを買ってくればいいことになります。
保証および返品支援 | Seagate
このページで、シリアルナンバーと型番を入れてみました。「保証期間内」であることがわかりました。ということは、返送すれば、無償で新しいHDDが帰ってくることになります(ただし、元のディスクをUSB接続ができる筐体から取り外しているので、厳密に保証対象となるかどうかは不明)。速攻でHDDを送ってきました。エアキャップつき封筒に入れて、さらにクロネコヤマトの梱包セット(280円の一番小さいヤツ)に入れて、先ほどお願いしてきました。数日で新しいHDDが届くと言うことなのですが、果たしてどうなるのでしょうか。
かといって、消耗品扱いでホイホイと使えるものではありません。
中の人が持っているHDDも、スピンドルアップ(電源が入り、モーターが駆動する)はするのですが、データの読み書きが全くできなくなるものが1台ありました。データの中身はバックアップしているので、捨ててもいいのですが、ちょっともったいない。せっかくUSBでつながっているのだから、普通に内蔵HDDを買ってきて換装すれば、また動くのではないか?と考えたのです。
普通に考えて、低価格で抑える必要があるので、それほど特殊なHDDは使っていないだろうと思ったので、まずは分解してみることにしました。型番である「UDC-U500 分解」をキーワードにしたら、こんなページがヒットしました。
IO DATA 外付けHDD HDC-U500の分解
確かに、ハードディスクはSeagateのものでした(細かな部分は違いましたが、それくらいなら誤差の範囲でしょう)。ですが、このページの一番下に注目です。「RMAがついていました」とあります。
今度は「RMA Seagate」で検索すると、なんと、保証期間内であれば、無償保証が受けられるとあります。なるほど。ということは、保証期間内かどうか、が次のポイントになります。保証が受けられるのであれば、交換して換装、保証がきかないのであれば、新しいHDDを買ってくればいいことになります。
保証および返品支援 | Seagate
このページで、シリアルナンバーと型番を入れてみました。「保証期間内」であることがわかりました。ということは、返送すれば、無償で新しいHDDが帰ってくることになります(ただし、元のディスクをUSB接続ができる筐体から取り外しているので、厳密に保証対象となるかどうかは不明)。速攻でHDDを送ってきました。エアキャップつき封筒に入れて、さらにクロネコヤマトの梱包セット(280円の一番小さいヤツ)に入れて、先ほどお願いしてきました。数日で新しいHDDが届くと言うことなのですが、果たしてどうなるのでしょうか。
2010年4月3日土曜日
SIMフリーについて考える。
さて、携帯電話のSIMフリー化のニュースが出てきました。中の人はSIMフリーについては、賛否両論であることを先に申し上げておきます。その理由は、最後までおつきあいいただければご理解いただけるものと思います。
まず、SIMフリーとは、どういうことなのか、について、簡単に解説しておきましょう。
SIMカードというのは、携帯電話に装着する、切手より一回り小さいICチップです。この中には、携帯回線の利用者として識別できるIDが入っています。電話番号なんかがそうですね。他に、キャリア(回線事業者)のIDなどが含まれています。携帯電話は、このIDを読み取って、自局番号を表示したりするわけです。つまり、SIMカードの役割は、「この人が使ってるよ」というデータを送受信するための基本情報が詰まっていると言っていいと思います。それ以外に、「通信するときの接続先(無線LANでいうところのSSID)は○○で、アンテナへの接続は○○」といった情報も含まれていますが、おそらくそこまでは使われていないのではないか、と中の人はにらんでいます(事実ではないかもしれませんが)。
今回のSIMフリー化、というのは、現状「SIMロック」という状態になっていることを意味しているのですが、これは、電話機に「受け付けられるのは○○社で発行したSIMカードだけにする」というロックがかかっていることを指しています。同じ用語で、「起動時に暗証番号を入れないと利用できなくするためのICチップ用暗証番号」もありますが、今回はその意味ではありません。このため、チップに含まれている情報のうち、まず発行した回線事業者を読み取り、設定した事業者ではない場合、「SIMカードが異常です」とか「このSIMカードはご利用いただけません」という表示が出てくることになります。そして、改ざんを検知するため、通信するときの接続先やアンテナへの接続についても、電話機に登録している情報と、チップの情報を比較し、一致すれば接続可能な状態になることも想定されます。ここも、情報の使い方については一部に誤りがあるかもしれません。
まずは、携帯電話を購入するときのことを考えてみます。
今の時点では、店頭で、使いたい電話機を選ぶと、ほぼ自動的に回線事業者が決まります。そこで料金プランを選び、契約と言うことになります。請求のタイミングや料金プランにもよりますが、まずは電話機の料金と基本料金、通話料金を支払う必要があります。本来であれば、電話機は電話機メーカーに支払われ、基本料金と通話料金は回線事業者に支払われるべき料金です。でも、電話機は、他の回線事業者のSIMでは使えないようにロックされていますし、支払いはすべて回線事業者に対して行います。ここが、普通の電話とことなるところです。普通の電話の場合、電話機の代金は電話機のメーカーに支払いますが、基本料金と通話料金は回線事業者に支払っていますね。
携帯電話の場合、機種によって回線事業者が固定される、ということは、魅力ある電話機を作ることで回線事業者が利用者を囲い込むことができる、というメリットを生みます。また、基本料金の一部を電話機のメーカーにキャッシュバックすることで、端末を比較的低価格で販売することができるというメリットもあります。この点は、月額料金を値下げする引き替えに、数年前に電話機の購入プランが変更されたことをご記憶の方もおられるかと思いますが、もうひとつのポイントが、このSIMロックにあります。他社に流さないようにするために、電話機のメーカーに対してSIMロックをかけてもらい、その見返り(というと言葉が悪いですが)として、キャッシュバックを受けているという現実があります。売れる電話機を作る、利用者が増える、月額料金の一部をキャッシュバックされるので、SIMロックを外せない、という循環ということもできるのかもしれません。
では、SIMロックが外されると、どうなるのでしょうか。
電話機のメーカーは、自前で電話機の代金を全額回収する必要が出てきます。キャッシュバックはSIMロックの時代ほど期待できなくなるからです。このため、電話機の代金は直接利用者から回収することになるので、電話機はその分だけ値上がりします。機能が減ったのに、料金が上がるというのも変な話ではありますが。キャッシュバックがなくなるか、という点は難しいのですが、仕組み的には可能だろうとは思いますが、少なくとも、電話機のメーカーが、回線事業者を特定することはできなくなりますし、たとえば通話ごとに電話機を変更することもできるので、これまでのような仕組みで継続することは難しくなろうと思います。
利用者から見れば、これはいいことのように見えるかもしれません。たとえば、A社の端末を、B社のSIMカードで利用できるので、回線事業者数と、電話機の種類の積だけ、利用できるパターンが増えるのです。あの電話機がほしいけど、今の回線事業者では使えない、と言うことがなくなります。これだけを見ると、確かによいことですが、デメリットもあります。それは、一般的には売れ筋ではないけれど、需要がそれなりにある、という電話機は、値上がり幅が大きくなり、それによる利用者の減少という悪循環が発生してしまうことが考えられます。
たとえば、ある機種を考えてみます。その機種は、声をゆっくり聞くことができる機種だとします(最近、ラジオにそういう機種がありますが、その携帯電話版だと思ってください)。こういう機種は、需要が爆発的に期待できるものではありません。しかし、需要としては堅調にあるわけです(高齢者向けの商品を想定しています)。ある意味で、売れ筋商品で得られたキャッシュバックで抑えられていた価格が、SIMフリーになるため、電話機の単価が上がります。もちろん、メーカーは全体での利益を最大化するための価格を設定するでしょうが、売れ筋ではない商品の単価は、原価を回収するため、売れ筋に比べて値上がり幅は大きくなります。すると、利用者は他の電話機を利用することになります。と、今度は市場が縮小傾向になってしまい、電話機が値上がりする、利用者が減る、売れなくなる、メーカーは作らなくなる、やがて商品の販売が止まってしまう、ということになってしまいます。これを回避するためには、普通の電話機と同様、福祉機器としての補助金を活用することになるのかもしれませんが、いずれにしても、今まで利用できた人であっても、これからのメーカー戦略によっては、電話の利用をあきらめることになる人が出てくるかもしれない、というデメリットがあります。
また、料金プランが複雑になることもデメリットのひとつです。
電話機と回線料金を合算することができなくなるので、電話機本体の販売と、回線の契約が別々に行われることになります。わかっている人にとっては、かなり便利になることは間違いないのですが、買う側としては、今まで以上に、買うときに電話機の買い方と回線事業者の選び方が問われることになります。回線事業者も、簡単に乗り換えられないような料金プランを出すことになるでしょうし、今でも契約の残り期間にっては、違約金が高額になってくることも予想されます。この料金プランをすべて把握した上で利用すると言うことは、これからは少々難しくなってくるのではないでしょうか。
メーカー側の事情についても考えてみます。
海外メーカーが日本でも電話機を販売できる、という記事も見かけましたが、従来から不可能ではありませんでした。日本の法規制により、携帯電話は無線機として扱われています。このため、無線機が違法な電波を出さないよう、新機種を作るときには技術適合審査というのを受ける必要があります。この法律は、当然日本国内で有効な法律なので、日本で販売するためには、日本の技術適合認定を受ける必要があります。これはどの電話機でも同じです。現状、海外メーカーの電話機でも仕様が同じであれば、技術的に使うことは可能ではありますが、日本の技術適合審査を受けていない以上、違法無線機となってしまうことになります(日本に海外の携帯電話をそのまま持ち込まれている旅行者の方は、その可能性が出てきます)。ただ、海外メーカーの電話機であっても、日本で技術適合審査を受けて、認定が下りれば、今でも販売することは可能です。
仕様が同じ、といっても、電波である以上、周波数が一致しなければ、何もできません。日本で割り当てられている周波数帯も、一部は世界的には特殊な部分だったりすることもあるので、そのために海外メーカーが日本向けの電話機を作るのか、若干議論がありそうです。
また、日本語は漢字を使いますから、日本語を利用できる電話機でなければ売れない、ということもあります。必然的に、日本のメーカーと、日本語化するだけのパワーのあるメーカーが日本の市場で生き残っていくのではないでしょうか。ただ、上記の通り、電話機単体で原価を回収する必要があるので、電話機は値上がりするか、機能を削って低価格になっていくことになろうと思います。ただ、売れないメーカーというのは、回線事業者からも保護されなくなるので、電話機事業から撤退するメーカーというのも出てくるかもしれません。
回線事業者はどうでしょうか。
電話機メーカーに支払うキャッシュバック分だけ、基本料金を値下げすることができます。そして、どの電話機でも使えるサービスを、どのように提供するのか、というのが勝負になります(この場合、通話よりもパケット通信サービスが重要となるでしょう)。または、特定の電話機だけで受けられるサービスを提供するかもしれません(先ほどの福祉機器などは、この事例になるかもしれません)。SIMカードには必要な情報が含まれているので、実はロックを外したとしても、料金プランに沿って料金は支払われるので、あまり大きなデメリットは見えないように思います。
長くなったので、この辺でまとめます。
回線事業者は、電話機のメーカーに支払うキャッシュバックがなくなるので、月額料金を下げることができます。ただし、料金プランで勝負する必要があります。特定の機種でなければ受けられないサービスを提供するかもしれません。
端末メーカーは、回線事業者に縛られない電話機を売り出すことができます。ただし、電話機の代金は自分で回収しなければならず、キャッシュバックをうけることができなくなります。このため、売れない商品はすぐに撤退するでしょうし、一定の需要が見込まれるであろう特殊機種は、受注生産などに切り替えることで、さらに価格が上がることになります。結果として、メーカーはある程度の淘汰が進むかもしれません。
利用者は、電話機と回線事業者の組み合わせが、より自由になります。ただし、電話機単体の価格が値上がりします。電話機本体の買い方と、回線事業者の料金プランの組み合わせを十分に理解していないと、思わぬ出費となることもあります。
いずれにせよ、これまで回線事業者を中心に回っていた、日本流のビジネスモデルが、それぞれ独自に責任を取らなければならないビジネスモデルに変化することになります。
これが良いことなのか、悪いことなのか。メリットがあれば、その裏にはデメリットがあります。それを十分に考えて、決めたいものです。
まず、SIMフリーとは、どういうことなのか、について、簡単に解説しておきましょう。
SIMカードというのは、携帯電話に装着する、切手より一回り小さいICチップです。この中には、携帯回線の利用者として識別できるIDが入っています。電話番号なんかがそうですね。他に、キャリア(回線事業者)のIDなどが含まれています。携帯電話は、このIDを読み取って、自局番号を表示したりするわけです。つまり、SIMカードの役割は、「この人が使ってるよ」というデータを送受信するための基本情報が詰まっていると言っていいと思います。それ以外に、「通信するときの接続先(無線LANでいうところのSSID)は○○で、アンテナへの接続は○○」といった情報も含まれていますが、おそらくそこまでは使われていないのではないか、と中の人はにらんでいます(事実ではないかもしれませんが)。
今回のSIMフリー化、というのは、現状「SIMロック」という状態になっていることを意味しているのですが、これは、電話機に「受け付けられるのは○○社で発行したSIMカードだけにする」というロックがかかっていることを指しています。同じ用語で、「起動時に暗証番号を入れないと利用できなくするためのICチップ用暗証番号」もありますが、今回はその意味ではありません。このため、チップに含まれている情報のうち、まず発行した回線事業者を読み取り、設定した事業者ではない場合、「SIMカードが異常です」とか「このSIMカードはご利用いただけません」という表示が出てくることになります。そして、改ざんを検知するため、通信するときの接続先やアンテナへの接続についても、電話機に登録している情報と、チップの情報を比較し、一致すれば接続可能な状態になることも想定されます。ここも、情報の使い方については一部に誤りがあるかもしれません。
まずは、携帯電話を購入するときのことを考えてみます。
今の時点では、店頭で、使いたい電話機を選ぶと、ほぼ自動的に回線事業者が決まります。そこで料金プランを選び、契約と言うことになります。請求のタイミングや料金プランにもよりますが、まずは電話機の料金と基本料金、通話料金を支払う必要があります。本来であれば、電話機は電話機メーカーに支払われ、基本料金と通話料金は回線事業者に支払われるべき料金です。でも、電話機は、他の回線事業者のSIMでは使えないようにロックされていますし、支払いはすべて回線事業者に対して行います。ここが、普通の電話とことなるところです。普通の電話の場合、電話機の代金は電話機のメーカーに支払いますが、基本料金と通話料金は回線事業者に支払っていますね。
携帯電話の場合、機種によって回線事業者が固定される、ということは、魅力ある電話機を作ることで回線事業者が利用者を囲い込むことができる、というメリットを生みます。また、基本料金の一部を電話機のメーカーにキャッシュバックすることで、端末を比較的低価格で販売することができるというメリットもあります。この点は、月額料金を値下げする引き替えに、数年前に電話機の購入プランが変更されたことをご記憶の方もおられるかと思いますが、もうひとつのポイントが、このSIMロックにあります。他社に流さないようにするために、電話機のメーカーに対してSIMロックをかけてもらい、その見返り(というと言葉が悪いですが)として、キャッシュバックを受けているという現実があります。売れる電話機を作る、利用者が増える、月額料金の一部をキャッシュバックされるので、SIMロックを外せない、という循環ということもできるのかもしれません。
では、SIMロックが外されると、どうなるのでしょうか。
電話機のメーカーは、自前で電話機の代金を全額回収する必要が出てきます。キャッシュバックはSIMロックの時代ほど期待できなくなるからです。このため、電話機の代金は直接利用者から回収することになるので、電話機はその分だけ値上がりします。機能が減ったのに、料金が上がるというのも変な話ではありますが。キャッシュバックがなくなるか、という点は難しいのですが、仕組み的には可能だろうとは思いますが、少なくとも、電話機のメーカーが、回線事業者を特定することはできなくなりますし、たとえば通話ごとに電話機を変更することもできるので、これまでのような仕組みで継続することは難しくなろうと思います。
利用者から見れば、これはいいことのように見えるかもしれません。たとえば、A社の端末を、B社のSIMカードで利用できるので、回線事業者数と、電話機の種類の積だけ、利用できるパターンが増えるのです。あの電話機がほしいけど、今の回線事業者では使えない、と言うことがなくなります。これだけを見ると、確かによいことですが、デメリットもあります。それは、一般的には売れ筋ではないけれど、需要がそれなりにある、という電話機は、値上がり幅が大きくなり、それによる利用者の減少という悪循環が発生してしまうことが考えられます。
たとえば、ある機種を考えてみます。その機種は、声をゆっくり聞くことができる機種だとします(最近、ラジオにそういう機種がありますが、その携帯電話版だと思ってください)。こういう機種は、需要が爆発的に期待できるものではありません。しかし、需要としては堅調にあるわけです(高齢者向けの商品を想定しています)。ある意味で、売れ筋商品で得られたキャッシュバックで抑えられていた価格が、SIMフリーになるため、電話機の単価が上がります。もちろん、メーカーは全体での利益を最大化するための価格を設定するでしょうが、売れ筋ではない商品の単価は、原価を回収するため、売れ筋に比べて値上がり幅は大きくなります。すると、利用者は他の電話機を利用することになります。と、今度は市場が縮小傾向になってしまい、電話機が値上がりする、利用者が減る、売れなくなる、メーカーは作らなくなる、やがて商品の販売が止まってしまう、ということになってしまいます。これを回避するためには、普通の電話機と同様、福祉機器としての補助金を活用することになるのかもしれませんが、いずれにしても、今まで利用できた人であっても、これからのメーカー戦略によっては、電話の利用をあきらめることになる人が出てくるかもしれない、というデメリットがあります。
また、料金プランが複雑になることもデメリットのひとつです。
電話機と回線料金を合算することができなくなるので、電話機本体の販売と、回線の契約が別々に行われることになります。わかっている人にとっては、かなり便利になることは間違いないのですが、買う側としては、今まで以上に、買うときに電話機の買い方と回線事業者の選び方が問われることになります。回線事業者も、簡単に乗り換えられないような料金プランを出すことになるでしょうし、今でも契約の残り期間にっては、違約金が高額になってくることも予想されます。この料金プランをすべて把握した上で利用すると言うことは、これからは少々難しくなってくるのではないでしょうか。
メーカー側の事情についても考えてみます。
海外メーカーが日本でも電話機を販売できる、という記事も見かけましたが、従来から不可能ではありませんでした。日本の法規制により、携帯電話は無線機として扱われています。このため、無線機が違法な電波を出さないよう、新機種を作るときには技術適合審査というのを受ける必要があります。この法律は、当然日本国内で有効な法律なので、日本で販売するためには、日本の技術適合認定を受ける必要があります。これはどの電話機でも同じです。現状、海外メーカーの電話機でも仕様が同じであれば、技術的に使うことは可能ではありますが、日本の技術適合審査を受けていない以上、違法無線機となってしまうことになります(日本に海外の携帯電話をそのまま持ち込まれている旅行者の方は、その可能性が出てきます)。ただ、海外メーカーの電話機であっても、日本で技術適合審査を受けて、認定が下りれば、今でも販売することは可能です。
仕様が同じ、といっても、電波である以上、周波数が一致しなければ、何もできません。日本で割り当てられている周波数帯も、一部は世界的には特殊な部分だったりすることもあるので、そのために海外メーカーが日本向けの電話機を作るのか、若干議論がありそうです。
また、日本語は漢字を使いますから、日本語を利用できる電話機でなければ売れない、ということもあります。必然的に、日本のメーカーと、日本語化するだけのパワーのあるメーカーが日本の市場で生き残っていくのではないでしょうか。ただ、上記の通り、電話機単体で原価を回収する必要があるので、電話機は値上がりするか、機能を削って低価格になっていくことになろうと思います。ただ、売れないメーカーというのは、回線事業者からも保護されなくなるので、電話機事業から撤退するメーカーというのも出てくるかもしれません。
回線事業者はどうでしょうか。
電話機メーカーに支払うキャッシュバック分だけ、基本料金を値下げすることができます。そして、どの電話機でも使えるサービスを、どのように提供するのか、というのが勝負になります(この場合、通話よりもパケット通信サービスが重要となるでしょう)。または、特定の電話機だけで受けられるサービスを提供するかもしれません(先ほどの福祉機器などは、この事例になるかもしれません)。SIMカードには必要な情報が含まれているので、実はロックを外したとしても、料金プランに沿って料金は支払われるので、あまり大きなデメリットは見えないように思います。
長くなったので、この辺でまとめます。
回線事業者は、電話機のメーカーに支払うキャッシュバックがなくなるので、月額料金を下げることができます。ただし、料金プランで勝負する必要があります。特定の機種でなければ受けられないサービスを提供するかもしれません。
端末メーカーは、回線事業者に縛られない電話機を売り出すことができます。ただし、電話機の代金は自分で回収しなければならず、キャッシュバックをうけることができなくなります。このため、売れない商品はすぐに撤退するでしょうし、一定の需要が見込まれるであろう特殊機種は、受注生産などに切り替えることで、さらに価格が上がることになります。結果として、メーカーはある程度の淘汰が進むかもしれません。
利用者は、電話機と回線事業者の組み合わせが、より自由になります。ただし、電話機単体の価格が値上がりします。電話機本体の買い方と、回線事業者の料金プランの組み合わせを十分に理解していないと、思わぬ出費となることもあります。
いずれにせよ、これまで回線事業者を中心に回っていた、日本流のビジネスモデルが、それぞれ独自に責任を取らなければならないビジネスモデルに変化することになります。
これが良いことなのか、悪いことなのか。メリットがあれば、その裏にはデメリットがあります。それを十分に考えて、決めたいものです。
2010年3月16日火曜日
【考】思考力を見るための問題。
JR東日本の東京駅に設置している自動改札機で、きっぷの通過OKなパターンと、通過NGなパターンを、以下の条件に従ってできるだけ洗い出しなさい。1個1点。ただし、1つだけ1個30点の回答があります。
条件1:きっぷには、ICカードと、磁気券の2種類を検討することとします。
条件2:ケータイは、すべてICカードのきっぷと考えることとします。
条件3:きっぷは、自動改札を通過できるものだけ考えることとします。
これが正解です、と並べることができるほど、簡単な問題ではありませんが、どれくらいの種類を網羅できるか、どれくらいもれなく考えることができるのか、という意味で、この問題を出すことがあります。ただし、1個30点の問題を見事に正解できる人は、実はあんまり多くありません。
思考実験として、考えてみると、意外と暇がつぶせるかもしれません。あ、間違っても東京駅で実験しないようにしてくださいね。
条件1:きっぷには、ICカードと、磁気券の2種類を検討することとします。
条件2:ケータイは、すべてICカードのきっぷと考えることとします。
条件3:きっぷは、自動改札を通過できるものだけ考えることとします。
これが正解です、と並べることができるほど、簡単な問題ではありませんが、どれくらいの種類を網羅できるか、どれくらいもれなく考えることができるのか、という意味で、この問題を出すことがあります。ただし、1個30点の問題を見事に正解できる人は、実はあんまり多くありません。
思考実験として、考えてみると、意外と暇がつぶせるかもしれません。あ、間違っても東京駅で実験しないようにしてくださいね。
2010年3月8日月曜日
【ブツ】キーボードの話。
中の人は、キーボードをほぼ考えるスピードで入力します。以前に計測したところでは、毎分150文字くらいの打鍵数がありました。中の人はローマ字入力なので、だいたい300ストロークと言うことになります。これはどれくらいの早さになるのか、中の人はよくわかっていませんが、いつもは、事務所で会議をするときは、PCを持ち込んで、その場で速記録を作っています。いくつか重要なポイントを取っているだけでなので、すべての発言を入力するところまでは行きませんが、誤字脱字を訂正しなければ、だいたい話は通るようですね。
さて、そんな中の人が使っているキーボードは、実はこだわりの一品です。
まぁ、所詮キーボードですから、ものを選ばなければ980円とか、もっと安く買える場合もあるのでしょうし、そういうキーボードでも、ある程度スピードは落ちますが、普通の幅と深さがあれば入力することはできます。でも、長時間の入力で、肩こりが確実にひどくなったのも事実です。
そこで選んだのが、東プレのRealForceです。
東プレは、もともと車の部品なんかを作っている会社と聞いたことがありますが、中の人にとってはキーボードメーカーとして認識されています。東プレのキーボードは、銀行の窓口に置いている端末や、専用機の端末によくつかわれているものです。なので、打ちやすさは他のキーボードの比ではありません。
特筆すべきは、その軽さと重さ。軽いのは、キー入力のための荷重(どれだけの重さをかければキーボードが入力されたことになるのか)ですが、HやGといった人差し指で入力するキーでは55グラム、Aや+といった小指で入力するキーでは30グラムと、指による力の差を組み込んで作られています。そして、重たいのは本体。1.5キロあります。本体が簡単に動かない重さなので、非常に入力しやすく作られています。
金額も、その分値を張っていて、量販店での価格目安は、だいたい1.5万円前後のようです。中の人もそれくらいの金額で買いました。ただし、このキーボードにしてからは、6万ストローク以上入力しても、ほとんど疲れなくなりました。とにかく入力しやすいキーボードです。
また、キートップは外して水洗いすることができます。洗濯ネットに入れて、洗濯用洗剤か、食器用洗剤で洗うことができます。あまりにゴシゴシすると、塗装が心配になりますが、普通に洗う分には、まったくその心配はありません。ただし、漂白剤は使わず、普通に洗剤だけで洗っているというのが中の人の掃除方法です。これだけで、だいぶきれいになりますよ。
最初、このキーボードは会社で使っていましたが、この軽さに触れてから、自宅で使っていた他社のキーボードが使いにくいと感じるようになってしまい、ついに自宅にも導入しました。
専門的には、チャタリングとか、無接点方式とか、売り文句がたくさんあろうかと思うのですが、普通のユーザには、そんな専門的な用語を並べるより、実際に使ってみて使いやすいかどうか、がポイントだと思うのです。ですから、ぜひ、大きめの量販店に行って、展示しているキーボードを実際に触ってみることをおすすめします。
ひとつだけ注意があるとすれば、このキーボードは、本当に1.5キロありますから、持ち帰るときは、それなりの覚悟が必要です。送料無料なら、おとなしく届けてもらった方がよいかもしれません。
また、キーボードによっては、Windowsキーがなかったり、USB接続専用だったり、荷重がすべて同じだったりと、いろいろな製品がありますから、ぜひ、自分だけのキーボードを見つけてください。
http://www.topre.co.jp/products/comp/index.html
22:31追記:キートップを洗うときはネットに入れますが、洗濯機ではなく、ネットごと手洗いしてください。
さて、そんな中の人が使っているキーボードは、実はこだわりの一品です。
まぁ、所詮キーボードですから、ものを選ばなければ980円とか、もっと安く買える場合もあるのでしょうし、そういうキーボードでも、ある程度スピードは落ちますが、普通の幅と深さがあれば入力することはできます。でも、長時間の入力で、肩こりが確実にひどくなったのも事実です。
そこで選んだのが、東プレのRealForceです。
東プレは、もともと車の部品なんかを作っている会社と聞いたことがありますが、中の人にとってはキーボードメーカーとして認識されています。東プレのキーボードは、銀行の窓口に置いている端末や、専用機の端末によくつかわれているものです。なので、打ちやすさは他のキーボードの比ではありません。
特筆すべきは、その軽さと重さ。軽いのは、キー入力のための荷重(どれだけの重さをかければキーボードが入力されたことになるのか)ですが、HやGといった人差し指で入力するキーでは55グラム、Aや+といった小指で入力するキーでは30グラムと、指による力の差を組み込んで作られています。そして、重たいのは本体。1.5キロあります。本体が簡単に動かない重さなので、非常に入力しやすく作られています。
金額も、その分値を張っていて、量販店での価格目安は、だいたい1.5万円前後のようです。中の人もそれくらいの金額で買いました。ただし、このキーボードにしてからは、6万ストローク以上入力しても、ほとんど疲れなくなりました。とにかく入力しやすいキーボードです。
また、キートップは外して水洗いすることができます。洗濯ネットに入れて、洗濯用洗剤か、食器用洗剤で洗うことができます。あまりにゴシゴシすると、塗装が心配になりますが、普通に洗う分には、まったくその心配はありません。ただし、漂白剤は使わず、普通に洗剤だけで洗っているというのが中の人の掃除方法です。これだけで、だいぶきれいになりますよ。
最初、このキーボードは会社で使っていましたが、この軽さに触れてから、自宅で使っていた他社のキーボードが使いにくいと感じるようになってしまい、ついに自宅にも導入しました。
専門的には、チャタリングとか、無接点方式とか、売り文句がたくさんあろうかと思うのですが、普通のユーザには、そんな専門的な用語を並べるより、実際に使ってみて使いやすいかどうか、がポイントだと思うのです。ですから、ぜひ、大きめの量販店に行って、展示しているキーボードを実際に触ってみることをおすすめします。
ひとつだけ注意があるとすれば、このキーボードは、本当に1.5キロありますから、持ち帰るときは、それなりの覚悟が必要です。送料無料なら、おとなしく届けてもらった方がよいかもしれません。
また、キーボードによっては、Windowsキーがなかったり、USB接続専用だったり、荷重がすべて同じだったりと、いろいろな製品がありますから、ぜひ、自分だけのキーボードを見つけてください。
http://www.topre.co.jp/products/comp/index.html
22:31追記:キートップを洗うときはネットに入れますが、洗濯機ではなく、ネットごと手洗いしてください。
2010年3月7日日曜日
【酒】中の人が飲めるもの
えー、実は、中の人はお酒が飲めないのです。それも、完璧に下戸であります。
ビールを中ジョッキで出されても、2時間で飲みきったことがありません。まぁ、最後になると、ぬるーいビールになっていたりします。最近は、ノンアルコール(といっても微量にはあるようですが)が出てきているので、それで空気をごまかしていたりすることもありますけど、実は、あれでも若干の酩酊感を覚えるくらいなので、下戸といっても相当の下戸と言っていいと思います。
さて、そんな中の人が簡単に作って飲んでいる、ある飲み物があります。それは、ホットワイン。酒の飲めない人でも、簡単に作れます。例によって、人によっては邪道!と言われるかもしれませんが、その辺は大人の心で広くみてください。
まず、陶器製のマグカップの3分の1くらいに、赤ワインを注ぎます。高いワインである必要はありません。中の人は、近所のスーパーで一番安いのを買ってきます。酒の飲めない人ですから、あんまりこだわっても仕方ありません。
電子レンジにマグカップを入れて、3分から5分ほど温めます。レンジを使うので、絶対に金属製のコップなんかにしないこと。すると、アルコール分が見事に飛んでいくので、お好みに応じて時間を加減してください。ただし、欲張ってワインを入れすぎると、沸騰した時に残念なことになってしまいます。絶対にそれ以上は入れないこと(飲みたかったら2回作るか、大きなマグカップにするか、ミルクパンで暖めると良いでしょう)。
暖めたら、砂糖を少々入れます。ただし、熱いワインに入れると、急に突沸することもあります。そして、若干のレモン汁(入れすぎると酸っぱいです)、そしてシナモンパウダーを一振り。これをよくかき混ぜて、飲んでみましょう。
ね。おいしいでしょう。
アルコールを吹っ飛ばす時点で、ワインの銘柄など気にする必要はありません。ただし、赤ワイン以外で飲んだことはありませんのであしからず。
本来、このホットワインは、ドイツなんかでよく飲まれているそうで、アルコールを飛ばさないようにするのがひとつのポイントだったりするのですが、アルコールがまったく飲めない中の人には、アルコールを全部飛ばすくらいに加熱します。もちろん、ちょっと飲んでもいいかな、という時には、時間を短めにしておくと良いでしょう。
ただし。いくらアルコールを吹っ飛ばしたといっても、これは立派なワインですから、飲酒運転は絶対にしないようにしましょう。
ビールを中ジョッキで出されても、2時間で飲みきったことがありません。まぁ、最後になると、ぬるーいビールになっていたりします。最近は、ノンアルコール(といっても微量にはあるようですが)が出てきているので、それで空気をごまかしていたりすることもありますけど、実は、あれでも若干の酩酊感を覚えるくらいなので、下戸といっても相当の下戸と言っていいと思います。
さて、そんな中の人が簡単に作って飲んでいる、ある飲み物があります。それは、ホットワイン。酒の飲めない人でも、簡単に作れます。例によって、人によっては邪道!と言われるかもしれませんが、その辺は大人の心で広くみてください。
まず、陶器製のマグカップの3分の1くらいに、赤ワインを注ぎます。高いワインである必要はありません。中の人は、近所のスーパーで一番安いのを買ってきます。酒の飲めない人ですから、あんまりこだわっても仕方ありません。
電子レンジにマグカップを入れて、3分から5分ほど温めます。レンジを使うので、絶対に金属製のコップなんかにしないこと。すると、アルコール分が見事に飛んでいくので、お好みに応じて時間を加減してください。ただし、欲張ってワインを入れすぎると、沸騰した時に残念なことになってしまいます。絶対にそれ以上は入れないこと(飲みたかったら2回作るか、大きなマグカップにするか、ミルクパンで暖めると良いでしょう)。
暖めたら、砂糖を少々入れます。ただし、熱いワインに入れると、急に突沸することもあります。そして、若干のレモン汁(入れすぎると酸っぱいです)、そしてシナモンパウダーを一振り。これをよくかき混ぜて、飲んでみましょう。
ね。おいしいでしょう。
アルコールを吹っ飛ばす時点で、ワインの銘柄など気にする必要はありません。ただし、赤ワイン以外で飲んだことはありませんのであしからず。
本来、このホットワインは、ドイツなんかでよく飲まれているそうで、アルコールを飛ばさないようにするのがひとつのポイントだったりするのですが、アルコールがまったく飲めない中の人には、アルコールを全部飛ばすくらいに加熱します。もちろん、ちょっと飲んでもいいかな、という時には、時間を短めにしておくと良いでしょう。
ただし。いくらアルコールを吹っ飛ばしたといっても、これは立派なワインですから、飲酒運転は絶対にしないようにしましょう。
2010年3月3日水曜日
【趣味】コーヒー豆を焙煎
中の人の隠れた趣味があります。コーヒー豆を生豆から焙煎します。
細かい方法は検索するとたくさん出てきますから、そちらに譲るとして、中の人の使っている道具をご紹介します。
まず、フライパン。あれ?と思われる方もいらっしゃるかと思いますし、邪道!とおっしゃる方もおられるかと思いますが、中の人はボウルのようになっているミルクパンのようなフライパンを使っています。表面はテフロン加工されていて、直径は30センチもありません。高さは10センチ弱くらいでしょうか。フタをすべき、と言う人もいますが、中の人は使っていません。使うとおいしくなるそうなのですが・・・・
それから、木べら。これは100円ショップで買ってきました。
で、一番お金がかかっているのが、耐熱の手袋です。豆の温度は、なんと200度にもなるそうで、一度かるくやけどをしてしまってから、耐熱手袋をするようにしました。これはキャンプ用品のお店で買いました。6000円前後で売っています。
それから、忘れてはいけないのは、洗濯用のネット。小さいやつを使います。これをどう使うのか、なのですが、ネットに入れて浴室で振り回すと、細かいホコリが落ちてきます。十分にホコリを落とすこと、それから小さすぎる豆が落とせるフルイという2つの目的で使っています。
中の人の焙煎は、こんな感じで進みます。ただし、これでおいしいと感じるかどうかは、人の味覚の話ですから、ぜひ自分なりの流儀を作ることをおすすめいたします。
まず、ボウルを2つ、小皿を1つ用意します。もちろん生豆もご用意ください。
生豆を200グラムから300グラムほどボウルに入れます。手のひらに少量ずつとり、割れているものや、小さすぎるもの、虫が食っている豆をはじきます。これを小皿に落とし、問題ない豆をもう片方のボウルに入れていきます。これを繰り返し、豆の選別をします。
次に、ネットに入れて粉を落とします。ここで趣味が分かれるのが、水洗いをするかどうか。中の人はフライパンなので、ネットをぐしゃぐしゃとやりながら流水で豆についている薄皮を落とします。人によっては洗わない方がよいとする方もおられますから、ここは飲み比べてみて、もっとも自分に最適な方法を探ってください。あまり長いこと水につけると、当然ですが吸水してしまうので、水洗いする場合でも短時間で終わらせることが肝心です。
水洗いの後、よく水を切って(なので洗濯ネットだと簡単に水が切れるのです)、フライパンに豆を落とし、中火にセットして、とにかく豆を混ぜ続けます。鍋を振って混ぜます。とにかく混ぜます。
このまま本当にコーヒー豆になるんだろうか・・・・と思っていると、豆の薄皮(水洗いでも完全にとれません)がはがれてきて、豆の色がだんだん黄色くなり、そして茶色くなり、コーヒーに近くなっていきます。このあたりから、換気扇をフルパワーにしておきましょう。できれば、浴室の換気扇を入れて、さらに扇風機も一気につよくしておくとよいです。最初は失敗した煮豆みたいな臭いがでますが、だんだんとコーヒーに近い香りになっていくのがわかります。絶対に火を止めてはいけません。
煙が見え始めたら、火を弱火にします。そして、この先は絶対にフライパンを止めずに振り続けてください。へらで十分にかき混ぜて下さい。パチパチと大きめの音がしますが、はじけ飛ぶようなことはありませんから、勇気を出して振り続けてください。このパチパチは1ハゼと呼ばれます。
そのまま降り続けると、今度はピチピチというような小さな音がしてきます。これが2ハゼです。この頃には、煙も最大級になっているはずです。換気扇フルパワーにしたのは、この辺に理由があります。
2ハゼのほどよいところで火を止めます。ただし、豆の温度は200度近くになっていますから、豆の温度だけで熱が伝わり、火を止めても2ハゼはしばらく続きます。早めに火を止めることが肝心です。
手早く金網にあけて、浴室に持って行きましょう。細かな薄皮をふるい落とします。シンクでは煙もでるし、粉が飛び散るので、後の掃除が面倒なのと、換気扇がコンロの上で、シンクから上る煙が換気扇に吸われないので、中の人は換気扇をつけた浴室でふるい落とすことにしています。煙も、豆の温度が高いうちは止まりません。
一通り薄皮(といっても、黒いカスのようにしか見えませんが)を落としたら、室温まで冷やします。ただ、あら熱を取ろうにも、豆が高温なので、中の人の場合はへたにタオルや新聞紙を使わず、金属製のボウルに入れて、ボウルごと水に浮かべて、たまに木べらでかき回しています。室温になじんできたら、密閉容器に入れて、飲む直前まで冷蔵庫で冷やしておきます。
では、飲み方は?というご質問もあろうかと思いますが、それは次回にご案内いたしましょう。
細かい方法は検索するとたくさん出てきますから、そちらに譲るとして、中の人の使っている道具をご紹介します。
まず、フライパン。あれ?と思われる方もいらっしゃるかと思いますし、邪道!とおっしゃる方もおられるかと思いますが、中の人はボウルのようになっているミルクパンのようなフライパンを使っています。表面はテフロン加工されていて、直径は30センチもありません。高さは10センチ弱くらいでしょうか。フタをすべき、と言う人もいますが、中の人は使っていません。使うとおいしくなるそうなのですが・・・・
それから、木べら。これは100円ショップで買ってきました。
で、一番お金がかかっているのが、耐熱の手袋です。豆の温度は、なんと200度にもなるそうで、一度かるくやけどをしてしまってから、耐熱手袋をするようにしました。これはキャンプ用品のお店で買いました。6000円前後で売っています。
それから、忘れてはいけないのは、洗濯用のネット。小さいやつを使います。これをどう使うのか、なのですが、ネットに入れて浴室で振り回すと、細かいホコリが落ちてきます。十分にホコリを落とすこと、それから小さすぎる豆が落とせるフルイという2つの目的で使っています。
中の人の焙煎は、こんな感じで進みます。ただし、これでおいしいと感じるかどうかは、人の味覚の話ですから、ぜひ自分なりの流儀を作ることをおすすめいたします。
まず、ボウルを2つ、小皿を1つ用意します。もちろん生豆もご用意ください。
生豆を200グラムから300グラムほどボウルに入れます。手のひらに少量ずつとり、割れているものや、小さすぎるもの、虫が食っている豆をはじきます。これを小皿に落とし、問題ない豆をもう片方のボウルに入れていきます。これを繰り返し、豆の選別をします。
次に、ネットに入れて粉を落とします。ここで趣味が分かれるのが、水洗いをするかどうか。中の人はフライパンなので、ネットをぐしゃぐしゃとやりながら流水で豆についている薄皮を落とします。人によっては洗わない方がよいとする方もおられますから、ここは飲み比べてみて、もっとも自分に最適な方法を探ってください。あまり長いこと水につけると、当然ですが吸水してしまうので、水洗いする場合でも短時間で終わらせることが肝心です。
水洗いの後、よく水を切って(なので洗濯ネットだと簡単に水が切れるのです)、フライパンに豆を落とし、中火にセットして、とにかく豆を混ぜ続けます。鍋を振って混ぜます。とにかく混ぜます。
このまま本当にコーヒー豆になるんだろうか・・・・と思っていると、豆の薄皮(水洗いでも完全にとれません)がはがれてきて、豆の色がだんだん黄色くなり、そして茶色くなり、コーヒーに近くなっていきます。このあたりから、換気扇をフルパワーにしておきましょう。できれば、浴室の換気扇を入れて、さらに扇風機も一気につよくしておくとよいです。最初は失敗した煮豆みたいな臭いがでますが、だんだんとコーヒーに近い香りになっていくのがわかります。絶対に火を止めてはいけません。
煙が見え始めたら、火を弱火にします。そして、この先は絶対にフライパンを止めずに振り続けてください。へらで十分にかき混ぜて下さい。パチパチと大きめの音がしますが、はじけ飛ぶようなことはありませんから、勇気を出して振り続けてください。このパチパチは1ハゼと呼ばれます。
そのまま降り続けると、今度はピチピチというような小さな音がしてきます。これが2ハゼです。この頃には、煙も最大級になっているはずです。換気扇フルパワーにしたのは、この辺に理由があります。
2ハゼのほどよいところで火を止めます。ただし、豆の温度は200度近くになっていますから、豆の温度だけで熱が伝わり、火を止めても2ハゼはしばらく続きます。早めに火を止めることが肝心です。
手早く金網にあけて、浴室に持って行きましょう。細かな薄皮をふるい落とします。シンクでは煙もでるし、粉が飛び散るので、後の掃除が面倒なのと、換気扇がコンロの上で、シンクから上る煙が換気扇に吸われないので、中の人は換気扇をつけた浴室でふるい落とすことにしています。煙も、豆の温度が高いうちは止まりません。
一通り薄皮(といっても、黒いカスのようにしか見えませんが)を落としたら、室温まで冷やします。ただ、あら熱を取ろうにも、豆が高温なので、中の人の場合はへたにタオルや新聞紙を使わず、金属製のボウルに入れて、ボウルごと水に浮かべて、たまに木べらでかき回しています。室温になじんできたら、密閉容器に入れて、飲む直前まで冷蔵庫で冷やしておきます。
では、飲み方は?というご質問もあろうかと思いますが、それは次回にご案内いたしましょう。
2010年2月11日木曜日
【ごぞんじでしたか?】なう。 の語源
みなさんが普段ついったーでつかっている「なう」は、実は電電公社が発祥だとご存じでしたか?
昔は、手っ取り早く相手に情報を伝える手段として、電報が用いられました。この電報には、いくつか種類があったのですが、よく用いられた種類のひとつに、至急電報がありました。
これは、24時間、局に届いたらすぐに配達に出る、という電報で、訃報や急病など、とにかく一刻も早く相手に伝えるために使われていました。 この至急電報は、英語のURGENTから、先頭に「UR」の符号をつけて、モールスで送信されていました。この「UR」を和文にすると「ウナ」となることから、
電報局員は至急電報を「ウナ電」と呼んでいました。
モールスによらず、キーボードで送信するようになっても、和文と欧文の文字を一致させた特殊なキーボードも使っていました。電報のデータとしては、「UR スクカエレ・・・・」となっているのですが、これがすべて和文変換すると「ウナ スクカエレ・・・・」となったのですね。
それが転じて、すべて和文、語幹をひっくり返し、さらに最後につけることで、「○○なう」となったのです。
余談ですが、「ウナコーワ」の「ウナ」も、ウナ電から来ています。「すぐ効く」の意味を持たせてるんだとか。
以上、7割ほどウソを交えてお届けしました。
昔は、手っ取り早く相手に情報を伝える手段として、電報が用いられました。この電報には、いくつか種類があったのですが、よく用いられた種類のひとつに、至急電報がありました。
これは、24時間、局に届いたらすぐに配達に出る、という電報で、訃報や急病など、とにかく一刻も早く相手に伝えるために使われていました。 この至急電報は、英語のURGENTから、先頭に「UR」の符号をつけて、モールスで送信されていました。この「UR」を和文にすると「ウナ」となることから、
電報局員は至急電報を「ウナ電」と呼んでいました。
モールスによらず、キーボードで送信するようになっても、和文と欧文の文字を一致させた特殊なキーボードも使っていました。電報のデータとしては、「UR スクカエレ・・・・」となっているのですが、これがすべて和文変換すると「ウナ スクカエレ・・・・」となったのですね。
それが転じて、すべて和文、語幹をひっくり返し、さらに最後につけることで、「○○なう」となったのです。
余談ですが、「ウナコーワ」の「ウナ」も、ウナ電から来ています。「すぐ効く」の意味を持たせてるんだとか。
以上、7割ほどウソを交えてお届けしました。
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