ISBN:978-4-15-209131-4
結論:★4つ(満点は★5つ)。
内容としては、かなり難易度が高い。例示されている内容に難しさはないのだが、どうしても、根底にある程度の前提知識(日本で言う、高校レベルの政治経済や倫理の知識)がなければ、逆に苦労するのではないか、という気もする。
そして、哲学の本なので、半分は仕方のないことかもしれないが、この本には結論がない。具体的に「これが正解」というのが存在しない。大学の教科書ということなので、ある意味ではこれで良いのかもしれないが、一般向けに出版されるときは、「では、○○という場合、あなたはどう考えるだろうか?」という問いかけがあった方が、理解がより深まるのではないかという気もした。
サンデル風に言えば、レベルはさておき、人間は日々判断する生き物と言えるのだろう。それが「5人殺すか、1人殺すか」というレベルではないとしても、昼食を何にするのか、車で行くか電車で行くか、傘を持っていくか。そんな判断は、本当に自分の出自を反映しない判断だと言い切れるのだろうか。
自分の帰属するコミュニティ(たとえば家族や宗教、国家、時代背景)の考え方に依拠していないと言い切れるのだろうか。仮に、依拠していることが(当面は)問題ないとして、それが高度に(ある意味で矛盾しているが)政治的に、また倫理的に判断を求められる場合はどうだろうか。自分の場合、おそらくそんな判断を求められることはないと断言してもいいが、誰かの判断を見聞きしたとき、それはどこに立脚しているのか。それを十分に咀嚼しなければ、きっと誤ったメッセージとして、人々は受け入れてしまうのではないか(逆に言えば、十分に咀嚼したメッセージを人々に与えなければ誤解を生んでしまうのではないか)。
サンデルの立場、それはある意味で矛盾を抱えていて、哲学でありながら、それは政治的にも見えるし、宗教的にも見える。おそらく、その事実こそが、「無知のベールをかぶることはできない」ことの証明であり、「人の判断には何らかのコミュニティ意識が反映される」ことの証明なのかもしれない。
双方向の大学講義と違って、こちらは本を読むという一方通行なので、ひょっとすると誤解があるかもしれない。少なくとも、ライブ感はまったくない。テレビの放映を見ていないので、この本のポイントとなるべき部分がどこなのか、バランスを取り切れていない部分もあるかもしれない。だとすると、テレビを見た人にこそ、この本は薦められるのかもしれない。
1点だけ、337ページの引用文4行目に「驚異」とあるのですが、これは「脅威」の誤変換かと思います。
2010年6月29日火曜日
2010年6月19日土曜日
手軽に裁断できるDIY裁断
裁断機が(地味に)売れているようです。3万円とかなり高価なのと、替え刃が必要なのと、そもそも手動でやればどうにかなるということから、中の人は手を出さないでいました。スキャナは人力では無理ですが、裁断は人力で何とかなりますからね。
ということで、こんなDIYにしてみました。
必要なものは以下の通りです。
ちゃぶ台(幅45) CB-4530NA

偶然見つけました。これじゃないといけない訳じゃないですが、定規とゴムマットで代用することもできます。
C型クランプ(5センチ)2個
リンク先は深型ですが、浅くても良いです。店で買ったのは、1個200円くらいだったような気がします。
そして、カッターと、滑り止めマット(5センチ角×4枚)があれば良いでしょう。マットは滑り止めになりそうなら何でも良いです。
ということで、こんなDIYにしてみました。
必要なものは以下の通りです。
ちゃぶ台(幅45) CB-4530NA
こんなのがあればいいよ、というだけで、これじゃなければいけない理由はありません。ただ、普段机だと、紙が散ることがあるので、それだけは注意しましょう。
A3くらいのマットがいいですね。A4の高さ(長い方)を切るので。
オルファ セーフティカッターメイト 176B偶然見つけました。これじゃないといけない訳じゃないですが、定規とゴムマットで代用することもできます。
C型クランプ(5センチ)2個
リンク先は深型ですが、浅くても良いです。店で買ったのは、1個200円くらいだったような気がします。
そして、カッターと、滑り止めマット(5センチ角×4枚)があれば良いでしょう。マットは滑り止めになりそうなら何でも良いです。
まず、作業の長辺にカッティングマットの長辺を突き当てます。次に、カッターメイトのねじを外し、黄色いマット部分と定規部分に分離します(ねじは外れるようにできているので、分離というほど難しいことではありません)。カッターメイトの黄色いマット部分を、横長におき、カッティングマットの目盛りに合わせて横長に置きます。
次に、切り落としたい紙を黄色い部分に突き当てて置き、どれくらい切り落とすべきかを決めて、カッティングマットの目盛りに合わせます。当然ですが、これでカッターメイトの黄色いマットも同時に動かします。
置き場所が決まったら、黄色いマットをC型クランプで固定します。1個でも良かったんですが、2個にしてみました。これで、黄色いマットが固定されるので、紙を突き当てれば、目盛りに合わせてカッターメイトの定規部分を置き、カッターで切っていくだけです。
といっても、ものすごくわかりにくい説明かと思うので、写真を撮りました。こんな感じです。
この写真を例にすると、切り落としたいのは、定規の上辺から上の部分(赤い部分)です。それを一定の幅にするために、カッティングマットの目盛りを切断ラインに合わせて、下辺を固定するためにゴムマットとクランプで固定しています。カッターが奥に行ったり手前に行ったりすることがなければ、幅はほぼ一定に保たれます。
で、肝心の本なのですが、中の人は10ページくらいずつ、ベリベリとはがしています。それをこのマットにあてて切り落とす、という地味な作業をしています。これだと、合計で3000円もあれば十分ですし(ちなみに、カッターは98円のホームセンターブランドのもので、すごい切れ味です)、収納も簡単です。
ただし、紙のスキマに地味に接着剤が残っていることもあるので、ちゃんとスキャナに放り込めるように、紙をさばいて確認する作業はお忘れなく。
それから、写真の状態では、作業しづらいので、右利きの方は左手側にクランプが来るようにした方がよいかもしれません(左利きの方は右手側にクランプを)。
で、肝心の本なのですが、中の人は10ページくらいずつ、ベリベリとはがしています。それをこのマットにあてて切り落とす、という地味な作業をしています。これだと、合計で3000円もあれば十分ですし(ちなみに、カッターは98円のホームセンターブランドのもので、すごい切れ味です)、収納も簡単です。
ただし、紙のスキマに地味に接着剤が残っていることもあるので、ちゃんとスキャナに放り込めるように、紙をさばいて確認する作業はお忘れなく。
それから、写真の状態では、作業しづらいので、右利きの方は左手側にクランプが来るようにした方がよいかもしれません(左利きの方は右手側にクランプを)。
2010年6月12日土曜日
6月12日のこと。
いきなりですが、中の人のふるさとの話です。
中の人のふるさとは、東京から90分くらいのところにあります。そして、32年前の今日、そのふるさとで大きな地震が起こりました。そして、今後30年内に同じ規模の地震が確実に起こる(正確には、今後30年内に99%の確率で発生する)と言われています。毎年、6月12日は、ふるさとでは大規模な防災訓練が行われています。
その地震は、おそらく日本で初めてと言われる、都市型の地震でした。この地震により、耐震基準が見直され、さらにブロック塀には芯を入れることが安全のために有効であることもわかりました。ふるさとでは、ブロック塀を生け垣にすることで、補助金がでていた記憶があります(今はどうなっているのかわかりません)。
中の人の父親は、公務員でした。ですから、地震がくれば、出動しなければなりません。小学校に入ったあたりから、父親はいつも言っていました。「災害が起こったら、お父さんは家族のためには何の役にも立たない。だから、オマエ(中の人)がしっかりするんだよ」。その教えは4つありました。
この4つの説教は、子供心に大きな衝撃を受けました。もちろん、中の人は、父親の仕事を完全ではないにしても、ある程度(少なくとも何をしているのかは)理解しているつもりでした。ですが、ここまで「父親」としての顔を隠した父親を見たのは、おそらく記憶の限りでは初めてのことだったかもしれません。少しだけ、父親の仕事を誇らしく思いました。
その後、父親も、いくつかの災害で、現場には行かないまでも、現場を支援するために役所に出かけて行ったことがあります。そのたびに、中の人(そのときには中学生とか高校生ですが)に、「あとは頼んだぞ」といって、わざわざ中の人を玄関まで呼びつけて出勤していきました。
6月12日と聞いて、思わず反射的に4つの説教を思い出してしまいました。ただ、それだけでは(ブログに書くには)不足していると思ったので、ちょっと書き加えました。
中の人のふるさとは、東京から90分くらいのところにあります。そして、32年前の今日、そのふるさとで大きな地震が起こりました。そして、今後30年内に同じ規模の地震が確実に起こる(正確には、今後30年内に99%の確率で発生する)と言われています。毎年、6月12日は、ふるさとでは大規模な防災訓練が行われています。
その地震は、おそらく日本で初めてと言われる、都市型の地震でした。この地震により、耐震基準が見直され、さらにブロック塀には芯を入れることが安全のために有効であることもわかりました。ふるさとでは、ブロック塀を生け垣にすることで、補助金がでていた記憶があります(今はどうなっているのかわかりません)。
中の人の父親は、公務員でした。ですから、地震がくれば、出動しなければなりません。小学校に入ったあたりから、父親はいつも言っていました。「災害が起こったら、お父さんは家族のためには何の役にも立たない。だから、オマエ(中の人)がしっかりするんだよ」。その教えは4つありました。
- 何があっても、急いで帰ろうとしないこと。途中の道が安全とは限らないし、なにより、家が安全とも限らない。避難所に行くか、今いるところが安全なら、そこにいなさい。無理して帰ってくることはありません。
- 少なくとも3日我慢すれば、救援が届きます。それまでは、なんでも みんなで分け合って待っていなさい。
- 子どもでも、手伝えることはたくさんあります。大人を手伝いなさい。 子どもだから何もしなくていいわけではありません。
- どこにいても、生きてれば会えるから、ゆっくり帰ってきなさい。
この4つの説教は、子供心に大きな衝撃を受けました。もちろん、中の人は、父親の仕事を完全ではないにしても、ある程度(少なくとも何をしているのかは)理解しているつもりでした。ですが、ここまで「父親」としての顔を隠した父親を見たのは、おそらく記憶の限りでは初めてのことだったかもしれません。少しだけ、父親の仕事を誇らしく思いました。
その後、父親も、いくつかの災害で、現場には行かないまでも、現場を支援するために役所に出かけて行ったことがあります。そのたびに、中の人(そのときには中学生とか高校生ですが)に、「あとは頼んだぞ」といって、わざわざ中の人を玄関まで呼びつけて出勤していきました。
6月12日と聞いて、思わず反射的に4つの説教を思い出してしまいました。ただ、それだけでは(ブログに書くには)不足していると思ったので、ちょっと書き加えました。
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